2011 年 42 巻 4 号 p. 257-264
香り米は,2-アセチル-1-ピロリンに由来する特有の香りを持つ品種群である.国際共同研究より,品種判別技術,香り成分定量技術を開発した.香り米では,アミノアルデヒド脱水素酵素の欠損により,ポリアミン分解中間体である4-アミノブタナールの生成により,2-アセチル-1-ピロリンが生成することを見出した.一方,2-アセチル-1-ピロリンに由来する特有の香りを持つ枝豆である茶豆にでも,アミノアルデヒド脱水素酵素の欠損が見られ,香り米と同様の生成機構をもつことを解明した.