2012 年 43 巻 5 号 p. 354-361
東日本大震災による津波の被災地では,水産加工施設,養殖施設に蓄えられていた魚介類が流れ出,腐敗が進み,周辺に深刻な悪臭被害を生じさせている.気温が高くなるにつれて臭いは増し,精神的な不快感が懸念されている.
そこで本協会では,臭気の学術団体としての災害支援の方策を検討し,支援物資の提供,情報発信,消臭剤の効果判定,窓口の設置,情報の共有化を行った.また,被災地に入り,被災地の状況を確認し,現地の状況に応じた悪臭対策について,市町担当者等に助言・指導等を行った.今後,腐敗した魚を仮埋設する被災地においては,本協会が作成した「腐敗した魚介類の悪臭対策について」を参考に進めてもらうよう指導した.