におい・かおり環境学会誌
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特集(異臭に関する最近の動向)
醤油の異臭とその防止策
中台 忠信
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2013 年 44 巻 1 号 p. 21-27

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抄録

醤油はかおりが命の醸造食品であるので,異臭は大きな欠点となる.醤油の異臭の代表であるn-酪酸は醤油麹の製麹中にBacillus属細菌により生成されるので,この菌の汚染を防止することにより,n-酪酸の生成を低減できる.そのためには,盛込みライン,製麹装置の洗浄・殺菌・乾燥により,盛込み時の初発汚染芽胞細菌数を低減することが重要である.次に,仕込み,開栓中の産膜性酵母の生育により,イソ酪酸,イソ吉草酸の異臭が生成される.産膜性酵母の仕込み中の生育抑制のためには,諸味中のアルコール発酵を旺盛化することである.開栓中の産膜性酵母の生育抑制のためには,詰め前殺菌することである.

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© 2013 (社)におい・かおり環境協会
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