におい・かおり環境学会誌
Online ISSN : 1349-7847
Print ISSN : 1348-2904
ISSN-L : 1348-2904
特集(日本古来の香りを通して時代をみる)
龍涎香の香り
駒木 亮一
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 44 巻 2 号 p. 141-148

詳細
抄録

アンバーグリス(龍涎香)は,フランス語の「灰色のアンバー」という言葉に由来する.昔から薬として香水の素材として利用されてきた.その由来は,近年になるまで不明であった.20世紀初頭に烏賊の嘴が含まれていたことが分かり,マッコウクジラPhyseter macrocephalusの体内に生じた病的なものであるらしいことが知られた.このアンバーグリスを分析すると,アンブレインとエピコプロステノールの成分が含有されていた.香水原料としは,エチルアルコールに溶解させ少なくとも6ヶ月以上熟成させ使用する.このアルコールチンキにはテトララブダンオキサイドやアンブレインという香気成分が生成している.

著者関連情報
© 2013 (社)におい・かおり環境協会
前の記事
feedback
Top