三点比較式臭袋法におけるパネルの吸引方法には,鼻あてを用いた自己吸引法が提示されている.この手法では,吸引時に濃度調整された袋内臭気の濃度低下が懸念される.本研究では,数値流体力学に基づくシミュレーションによって自己吸引時の気流性状を把握することで,パネルが吸引する臭気の濃度を予測した.まずは,自己吸引を想定した吸引量と時間測定の被験者実験から3種の出口境界条件を決定し,次に鼻あてと顔の隙間をパラメータとして気流性状予測を行った.その結果,本研究で設定した条件下では,パネルの吸入濃度は最大でも袋内臭気の67%程度であることがわかった.