におい・かおり環境学会誌
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特集(テイスティングについて)
蒸溜酒のブレンド・テースティング~ウイスキー・ブランデーを中心として~
冨岡 伸一
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2017 年 48 巻 4 号 p. 299-309

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抄録

ウイスキー・ブランデー造りは,「原酒造り」と「製品中味造り」(ブレンド)に分けられる.製品中味の設計は卓越したテースティング力を持ったブレンダーが行う.製品中味は購買原料を使わず手造りした原酒のみをブレンドする.蒸溜直後の無色透明の原酒は樽による貯蔵・熟成の間に1樽1樽違う個性に変化していく.刻々と変化する原酒の品質評価も含めて,「原酒造り」から「製品中味造り」までブレンダーが携わる.ブレンダーのテースティング方法は製品カテゴリーごとに違い,同じウイスキーでも会社ごとの異なるため世界的に共通した基準・方法は無い.嗅覚・味覚というもっとも定量化しにくい感覚の共通言語としてブレンダー同士では独自の「フレーバーホイール」を用いる.

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© 2017 (社)におい・かおり環境協会
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