国内有数の油田を有していた新潟市秋葉区では,現在でも一部の地域や河川において原油が自噴している.市街地近郊に自噴箇所の存在する地域は日本において比較的珍しく,流入した原油は河川および周辺土壌の微生物生態系に影響を与えていると予想される.またその環境の生態系を明らかにすることは,将来的に生物学的な原油処理(環境浄化)を行う上で重要な知見を得ることができると考えられる.本稿では,かつて石油の街として親しまれたこの地域と,著者がこれまで行ってきた原油自噴ポイントに生息する土着微生物の解析・探索について紹介する.