2018 年 15 巻 2 号 p. 61-68
本稿では、子育てを経験した高機能自閉スペクトラム症(HF-ASD)圏の女性を対象とした解決志向アプローチ(SFA)を用いた小規模なグループワークの予備的調査の結果を報告する。本研究による試行的な実践によって、ストレングスを基盤としたSFA を用いたグループワークは、短期間で参加者に良い変化をもたらすという効果と、HF-ASD 圏の女性にとって受け入れやすく参加しやすいという可能性が示唆された。今後は、HF-ASD 圏の女性を対象にしたSFA を用いたグループワークについての支援者側のグループワークの有用性についても検証することが必要である。さらに、セッション回数を増やした実践を行い、HF-ASD 圏の女性および支援者にとっての長期的な効果についても検証を行う必要がある。