日本創造学会論文誌
Online ISSN : 2433-4588
Print ISSN : 1349-2454
多様な文脈にある個々人間での 相互主観性形成プロセスにおける共創の機能
松前 あかね永井 由佳里
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 22 巻 p. 21-38

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抄録

 本研究は,デザインプロセスが,デザインコンセプトの実現に向けた動機としての共創造性(co-creativity)および個々人間における相互主観性の形成にどのような影響を与えるか,多様な文脈を背景とする個々人間における相互主観性形成過程の動的メカニズムを共創(co-creation)との関係において解明しようとするものである.  協働(collaboration)は,単に個々人を場に集めるだけで自然発生するものではなく,協働のための所与の枠組みが失われた後においても自然に持続するものでもない.本研究では,通常協働の観点から議論されるヒューマンファクターについて,より内なる共創造性に着目した.主要な用語を定義し,共創のメカニズムの主要な構成要素として,相互主観性・文脈・共創造性の基本的な要素の評価法を提案し,それらを吟味するため異なる協働的デザインプロセスによる実験を行った.  本研究は,ある特定の要素のみに着目するのではなく,主要な構成要素を包含する1系の動的システムとして共創のダイナミクスを捉えようとするものである.本研究における実験を通じて得られた知見にもとづき,共創のメカニズムにおいて相互主観性を始めとする主要な構成要素を位置づけ,それを動的モデルとして提案し,異なる文脈にある個々人間の持続的協働プロジェクトの形成とマネジメントの効率的かつ実践的な方法論の確立に貢献することを目的とする.

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© 2019 日本創造学会
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