抄録
人の感動経験や感性価値を考慮した製品・サービスの設計が脚光を浴びている.このため,著者らは前報において,感動のSTARフレームワークという感動経験の分析法を開発するとともに,これを用いた感動発想技法を提案した.本研究では,様々な製品・サービスにおける実際の感動経験の分析を行うとともに,その違いを比較することによって,STARフレームワークによる感動の分析(感動のSTAR分析)の有効性を示すことを目的とする.具体的には,類似業種の分析および経済的価値を含む/含まない経験の分析を行えることを示すことによって,有効性を検証する.また,これらの結果より,企業による製品・サービスに基づく感動経験や個人の感動経験を分析するための有効なツールであることについて考察する.最後に結論を述べる.