主催: 第55回理論応用力学講演会運営委員会
共催: 応用物理学会, 化学工学会, 地盤工学会, 土木学会, 日本応用数理学会, 日本船舶海洋工学会, 日本風工学会, 日本機械学会, 日本気象学会, 日本計算工学会, 日本建築学会, 日本原子力学会, 日本航空宇宙学会, 日本地震工学会, 日本数学会, 日本物理学会, 日本流体力学会, 日本レオロジー学会, 農業土木学会
本論文では、河川・港湾・湖沼などの解析によく用いられる浅水長波方程式での気泡関数要素による解法(直交基底気泡関数要素安定化法)を提案している。従来、浅水長波方程式の解法は、多段階法を代表とする陽解法が多く用いられてきた。陽解法を適用する場合、通常は質量行列の各行の成分を足し合わせて(集中化させて)対角項のみに成分をもたせた近似行列(集中質量行列)が使用される。集中質量行列を使用した場合の問題点としては、集中質量行列が元の質量行列の近似行列であるため、非定常移流方程式などでは計算精度が悪く得られた結果の信頼性に問題がある。本研究では、この問題を解決するため、気泡関数要素を使用した有限要素解析において質量行列の近似を行わずに、質量行列が対角行列となる気泡関数を提案する。すなわち、気泡関数要素の基底(形状関数)が直交する条件を導入して、計算精度の落ちない(近似のない)対角行列となる質量行列を開発し、気泡関数要素を使用した有限要素解析において、記憶容量、計算時間などの計算効率の良い解析手法(直交基底気泡関数要素安定化法)を実現する。