本研究では、ずり流動下のシミュレーションをモンテカルロ法を用いて行う手法の検討を行った。すなわち、ずり流動を起こす外力を表現するポテンシャル場を導入し、メトロポリスの方法において連続的なずり変形を加え続けることを提案した。剪断歪みが周期境界条件と矛盾しないところで、歪みゼロの状態と関連づける操作を導入し、連続的にシミュレーションを行った。また、このシミュレーション手法の有用性を評価するために、液晶構造を示すことが知られている、剛体冠球円柱の系で検証を行った。本シミュレーションにより、ずり流動に誘起される等方-ネマチック相転移が確認できた。また、流動の方向とネマチックの配向ベクトルのなす角度、すなわち、流動配向角を確認することができた。