主催: 日本学術会議 「機械工学委員会,土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
共催: 応用物理学会, 化学工学会, 自動車技術会, 地盤工学会, 土木学会, 日本応用数理学会, 日本風工学会, 日本機械学会, 日本気象学会, 日本計算工学会, 日本計算数理工学会, 日本建築学会, 日本原子力学会, 日本航空宇宙学会, 日本混相流学会, 日本材料学会, 日本地震工学会, 日本数学会, 日本船舶海洋工学会, 日本伝熱学会, 日本物理学会, 日本流体力学会, 日本レオロジー学会, 農業農村工学会
気泡乱流は,壁面近傍のせん断誘起乱れと気泡誘起擬似乱れが相互作用する複雑な乱流であり,そのモデル化にはさらなる乱流特性の理解が必要である.著者らは,フォトブリーチング分子タグ法を用いた気泡乱流における乱れエネルギ(TKE)収支評価手法を開発し,乱れエネルギ収支に及ぼす気泡の影響を調べてきた.本研究では,壁面近傍を運動する気泡が乱れエネルギ収支に及ぼす影響を調べるとともに,フォトブリーチング分子タグ法と空間フィルタ流速計を組み合わせた速度計測手法(MT-SFV)により,高空間分解能かつ等時間間隔の速度データを取得し,乱流スペクトルに及ぼす気泡の影響も調べた.その結果,粘性底層を相対速度が大きい気泡が流動する場合に気泡により誘起された高波数速度変動がカスケード過程と類似したTKEの高波数領域への輸送を誘発し,その結果,TKEの消散率を高めている可能性が示唆された.