主催: 日本学術会議 メカニクス・構造研究連絡委員会
共催: 応用物理学会, 化学工学会, 土木学会, 日本風工学会, 日本機械学会, 日本気象学会, 日本計算工学会, 日本建築学会, 日本原子力学会, 日本航空宇宙学会, 日本地震工学会, 日本数学会, 日本数値流体力学会, 日本造船学会, 日本物理学会, 日本流体力学会, 日本レオロジー学会, 農業土木学会, 無機マテリアル学会
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本研究ではAEのもつこれらの短所を補う方法として,角速度センサを用いてジャークセンサを開発し,欠陥の拡幅の監視を行うことを試みた.角速度センサは,カーナビゲーションで車の旋回を検知するのに用られたり,カメラの角速度を検知するのに使われている. この角速度センサを片持ち梁の上に搭載して,片持ち梁の取り付け部のジャークを検出するように考案した.欠陥の拡幅に伴って発生した弾性波(AE波)は,連続したパルスであり,構造体の欠陥の存在する小材の中を重複反射して小材の共振を励起する.これらの共振現象は,欠陥の拡幅に伴って発生した弾性波のパワーが小さいために,これによって生じる小材の励起振幅は極めて微小なものである.このような微細な信号を取り出すには,信号より高次の微分を観測するのが効果的である.すなわち,変位より速度,速度より加速度,加速度よりジャークの方が,よりこの微細な信号を検出するのに有効である.筆者らはこの観点より,ジャークセンサを考案し,その有効性について研究を進めてきた.