主催: 日本学術会議 メカニクス・構造研究連絡委員会
共催: 応用物理学会, 化学工学会, 土木学会, 日本風工学会, 日本機械学会, 日本気象学会, 日本計算工学会, 日本建築学会, 日本原子力学会, 日本航空宇宙学会, 日本地震工学会, 日本数学会, 日本数値流体力学会, 日本造船学会, 日本物理学会, 日本流体力学会, 日本レオロジー学会, 農業土木学会, 無機マテリアル学会
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エポキシ樹脂硬化反応中のクラック発生に関しては多くの実験的レポートが出されているが,数値解析によるものは少ない.数値解析では反応率,温度,応力,ひずみのすべてを同時に取り扱う必要がある.このような問題では連成マトリクスによる解析が必要であるが,そのような研究報告を見つけることはできなかった.実験では2つの金属円筒の間に,エポキシを満たした硬化反応を行った.硬化反応中の金属円筒外側の円周方向ひずみが測定された.反応率を求めるための実験も別に行って,重回帰分析により反応速度式を求めた.粘弾性の影響を加味するために,Prony級数展開された粘弾性パラメータを求めた.実験結果と解析結果を比較することにより,エポキシ樹脂は反応率0.267からゲル化を開始し,0.330でほぼ完全にゲル化することがわかった.完全にゲル化した時点で,エポキシ樹脂と金属円筒の間に完全接着条件を設定した.その結果,実験で測定された円周方向ひずみと解析結果のそれは見事に一致した.