2008 年 17 巻 1 号 p. 44-52
本研究の目的は、精神障害者生活機能評価尺度(活動面)の信頼性と妥当性を検討することである。この尺度は、2001年に発表された国際生活機能分類International Classification of Functioning, Disability and Health(ICF)を参考にして作成したもので、活動面と参加面から構成される。精神科デイケアスタッフ14名が精神科ディケア通所者143名の生活機能を評価した。その結果、尺度の信頼性は、テスト-再テスト法ではPearsonの相関係数が0.71(p<0.01)、折半法ではPearsonの相関係数が0.87〜0.88(p<0.01)と高い値であった。各因子のクロンバックの信頼性係数は0.72〜0.85であり、内的整合性が高かった。尺度の妥当性は、因子分析を行い4つの因子を抽出し、累積寄与率が63.6%と高かった。他者評価と自己評価の相関係数は0.43であった。以上のことから、尺度の信頼性と妥当性が示された。