日本精神保健看護学会誌
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摂食障害の病理と援助に関する考察
三宅 薫
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1993 年 2 巻 1 号 p. 10-19

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抄録

思春期摂食障害症例について、その病理と援助過程について精神力動的視点を中心にして考察した。その結果は次のとおりである。1.摂食障害の発症の背景には、その家族力動が関係している。敏感で芸術への感性の豊かな子供と情動調律の能力が不十分な養育者の組み合わせが本症を発症させると考えられる。2.家族関係の特徴として、絡み合いと解離がある。この家族の中で、患者は家族の葛藤を解決する役割をになわされている。そして、食卓状況は、この家族の葛藤を反映している。3.患者は、思春期の発達課題であるアイデンティティの確立と第2の分離一個体化をめぐる葛藤から、本症を発症させた。患者の症状行動は、この葛藤状態から生じた身体言語であると理解される。4.援助では、患者の主体性を重んじ、自己表出の能力を発展させる。それによって、自己コントロールの再学習を目的とする。その為に重要なものとして、以下の諸点が明らかになった。(1)患者が自己表出する場を提供し、間主観的な体験を持つ。その為には、描画や趣味の話など、遊び的なものが有効であった。(2)患者の言語的、非言語的メッセージをとらえる。(3)以上のことは、抱える環境という言葉で表現される。

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© 1993 一般社団法人日本精神保健看護学会
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