日本精神保健看護学会誌
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他科から勤務異動した看護師が精神科看護に熟達する経験的プロセス
前田 和子三木 明子
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2011 年 20 巻 2 号 p. 1-10

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抄録

他科から勤務異動した看護師が,精神科看護に熟達する経験的プロセスを明らかにすることを目的とした.他科経験をもち精神科経験が10年未満の看護師17名を対象に半構成的面接法によるデータ収集を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて質的帰納的に分析した.その結果,6つのカテゴリーと17の概念が抽出された.看護師は,異動当初【プライドが傷つく体験】をし,実践では【患者のリスクを伴う痛み体験】から精神科看護の難しさを味わっていた.しかし,【手本の録画的観察】をすることで【視点位置転換】ができ,それをきっかけに,経験者としての自信を取り戻し精神科看護に熟達していった.また【看護が承認される体験】を通して【やりがい・醍醐味を味わう】ことができていた.他科経験者には,異動初期の情緒的支援,継続的なキャリア支援が必要である.

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© 2011 一般社団法人日本精神保健看護学会
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