日本精神保健看護学会誌
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研究報告
訪問看護師が精神障害者の支援を行う中で困難を乗り越えた体験
川内 健三板山 稔風間 眞理
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2017 年 26 巻 1 号 p. 10-19

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抄録

研究目的は,地域で精神障害者を支援している訪問看護師が支援上の困難をどのように乗り越えたのかという体験を明らかにすることである.訪問看護ステーションで精神障害者の支援をしている看護師11名に対し,半構造化面接から,質的帰納的分析を行った.

結果,訪問看護師は,【言葉で伝える】,【多面的な視点で利用者を把握する】,【利用者と適度な距離を保つ】,【スタッフと協働する】,【スタッフ以外の関係者と協力する】,【専門家の指導を求める】,【自分のために頑張る】ことで支援上の困難を乗り越えた体験をしていた.

精神障害者を支援する訪問看護師が困難を乗り越えるためには,一人の訪問看護師や一つの訪問看護ステーションだけで困難を抱え込まないようにする必要がある.そのためには,精神障害者の支援に必要な知識や技術を習得出来る機会をつくることや,協力者の支援を得やすい環境を作ることが必要であると考えられた.

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© 2017 日本精神保健看護学会
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