2019 年 28 巻 2 号 p. 39-47
本研究は新人看護師を対象とした質問紙調査による横断研究であり,リアリティショックに影響を与える要因の明確化を目的としている.
基本属性(8項目),SOC尺度(13項目),職場における他者からの支援尺度(56項目),リアリティショック尺度(62項目)からなる質問紙を,新人看護師472名に配布し,318名が分析の対象となった.
リアリティショック尺度を従属変数とする,ステップワイズ法における重回帰分析の結果,SOCの合計点(β=-0.53),先輩看護師からの精神支援(β=-0.27),上司からの業務支援(β=-0.16),最終学歴が看護専門学校(看護大学が基準)(β=-0.11),配属病棟が希望通りであったか(β=-0.07)がリアリティショックに影響を与える要因であった.重回帰分析の調整済決定係数は0.61であった.SOCはリアリティショックに最も影響があるという結果となり,SOCが低い看護師にリアリティショックに対する介入をすること,SOCを向上させるための支援が必要であると考えられる.