民間精神科病院で働く新人看護師の精神科看護の体験から,離職を考えた要因および離職を思いとどまった要因について把握し,離職予防支援を行うため,新人看護師8名にインタビューを行った.その結果,【精神科看護師を続けることへの迷い】の関連事項として,患者からの攻撃対象となった体験,日々の患者との関わりに確信がもてずにいること,看護人員の少ない夜勤帯への不安が抽出された.その一方で,【精神科看護師の魅力ややりがい】として,患者との関わりに手ごたえを得たり,患者との関わりに癒された体験が抽出された.この結果からは,離職に最も関連する要因は患者からの攻撃対象となることであり,他方,潜在的な離職につながり得る要因は患者との関わり方に確信がもてないことであると考えられた.新人看護師が職務を継続するためには,先輩看護師のこれまでの精神科看護の体験を聞く機会を設けること,また近い年齢の看護師同士で精神科看護の体験を自由に語り合う場を設けることが支援となると考えられた.