抄録
本研究は、都道府県別の統計データを用いて、東北地域と他地域における年収、幸福度、生活満足度の関係性を比較分析し、地域に固有のWell-Beingの構造的特徴を明らかにすることを目的とした。分析の結果、東北地域は他地域と比較して年収が低い一方で、幸福度および生活満足度は高いことが示された。このことにより、所得水準が全国平均を下回る地域でさえ、所得が必ずしも主観的な幸福感を規定する要因ではないことが再認された。さらに、生活満足度と幸福度の間には強い正の相関が認められた。これらの結果は、所得と幸福の関係が単純な比例関係ではないという「イースターリン・パラドックス」や相対所得仮説など、先行研究の知見とも整合する。地域文化や社会的つながりなど非経済的要因を考慮したWell-Being政策の重要性が示唆された。