抄録
思春期を中心とした成長期の男子および女子の集団を,衣服設計上必要な測定値を用い,からだつきによって特徴的グループに分類することを試みた.
資料は,前報と同じ1966~67年計測の7歳から20歳までの男女,各年齢約800例の調査原票である.研究項目として前報と同じ15項目をとりあげ,一種のプロポーションを表わす値に変換した後,性別に判別分析を行い検討を進めた.主な結果は以下のようである.
(1) 次元の減少を伴う判別分析について
(1)変数選択の結果,男女それぞれに15項目のうち14項目がとり込まれ,正準判別関数が求められた.
(2)男女ともに最初の2つの正準判別関数で大多数が判別される結果となった.寄与率は男女ともに第1正準判別関数で約92%,第2正準判別関数で約7.5%である.
(3)男女ともに第1正準判別関数(z1)は児童期のからだつきと青年期のからだつきとを区別する軸,第2正準判別関数(z2)は各個体が思春期的成長の最盛期に近く位置するか否かを表わす軸と解釈された.
(2) 求められた正準判別関数z1・z2座標における性別の全個体の散布状況ならびに両軸の表わす意味から,男女ともに対象集団を児童期型・思春期型・青年期型の3つのグループに分類することが適当と判断した.次いで男女それぞれにこれらのグループに分類するためのz1・z2の数式による基準を作成した.