石油技術協会誌
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講演
モントニータイトサンドプレイにおける水圧破砕最適化の取り組み
関根 孝太郎シン チャンドレッシュ原 祥二
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2016 年 81 巻 6 号 p. 479-488

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抄録

エンカナ社は過去十数年にわたりさまざまな水圧破砕技術を適用することで, 非在来型ガスプレイであるモントニータイトレザバーの開発に成功してきた。水圧破砕ジョブのデザインによって, 生産量は大きく変化するため, その最適化は開発における経済性に大きなインパクトがある。そこで本稿では, 上部モントニー層における水圧破砕き裂の伸展挙動を支配するいくつかの因子について概説する。商用モデリングソフトウェアを用いた水圧破砕き裂のモデリングやマイクロサイスミックのモニタリング結果に基づき, 水圧破砕き裂のジオメトリーやその伸展挙動を評価した。弾性定数, き裂閉口圧, 地層圧, 岩石組織に対するモデルの感度評価により, 水圧破砕き裂のジオメトリーの取り得る範囲を検討した。その結果, モントニー層において垂直方向の水圧破砕き裂の伸展を妨げるいくつかのバリアーの存在が示唆された。特定のエリアに位置する井戸の生産量と水圧破砕ジョブの大きさを比較したところ, 累積生産量と水圧破砕で圧入した流体量に正の線形関係が認められた。また, その傾きはターゲット層により異なることが明らかとなった。水圧破砕ジョブの大きさを2倍にすると, ガス生産量が1.81倍に増加する。このような生産量の増加は, 水圧破砕き裂の表面積増加によって説明できることが示唆された。

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