1979 年 44 巻 2 号 p. 78-85
女川ケロジェンおよび七谷ケロジェンの等温加熱実験の結果,ならびに,それらを数理反応モデルを用いて解析した結果は以下のように要約される。
(1) ケロジェンの熱分解過程には,石油状成分の生成に係るものとそうでないものとがある。
(2) 石油状成分の生成過程は単純な1次反応ではなく,複数の平行かつ独立した1次反応の組み合せによってより良く近似される。
(3) 1次反応プロットはTOEやONS'についての方よりもHCについての方がより直線に近くなる。すなわち,HCの生成過程はTOEやONS'のそれらと比べみかけにおいてはより単純である。
(4) i型石油状成分形成ポテンシャルの分布の最大値は,TOE, ONS', HCの順に後者ほどそれぞれに相当する活性化エネルギーが大きくなる。
(5) GPとLPの生成率はケロジェンの石油状成分(特にHC)形成ポテンシャルと関係があるようにみえる。
(6) Corg/VRCは分解生成物の生じ方にいくらかの影響を及ぼしている。(第5報につづく)