石油技術協会誌
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ガーナ海域の構造形態および炭化水素ポテンシャル
金原 靖久
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1989 年 54 巻 1 号 p. 84-91

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抄録

ガーナ海域には,西からタノ,セントラル,ケタの各堆積盆地が存在する。これらは中生代以降, pull-apart型堆積盆地として発達してきたものであるが,-方ではRomancheあるいはSt. Paulフラクチャ-帯の東方延長部に相当し,横ずれ運動を受けた地域と考えられている。セントラル堆積盆地を中心に実施された地震探鉱を解釈した結果,調査地域の地質構造は,堆積作用あるいは古い断層に起因したものがあるが,基本的には東西性の右横ずれ運動で形成されたものであることが分かった。
調査地域の地質構造は,断層,褶曲,不整合によって特徴づけられ,摘出されたプロスペクトもこれらの三っの要素によって規制されている。デボン系を油層とするSaltpond油田と同様の地質構造をもつプロスペクト,さらに探鉱の進んでいない白亜系のプロスペクトも数多く摘出され,根源岩,貯留岩とも良好なものが期待できることから,調査地域は炭化水素ポテンシャルの高い地域であり,今後ともより一層の探鉱が望まれる地域である。

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