石油技術協会誌
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ダリールフィールド開発ストラテジー
アルハジュリ ヤッヒャ
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1999 年 64 巻 6 号 p. 517-526

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抄録

(株)ジャペックス•オマーンは, オマーン国の陸上第五鉱区において1981年から探鉱, 開発および生産活動を行っており, 探鉱期間中の1986年にダリール油田が発見され, 1989年には商業量発見宣言がなされ開発移行された。
評価井の結果からはマージナルな油田であると予想されたため, コストの早期回収を期して EDF (早期生産施設) による生産方式を採用し, 1990年より商業生産を開始した。また, 生産開始とともに恒久生産施設の建設に着手し, 1991年末にEDFから本格生産に切り替えている。
マージナルな油田を少しでも高い経済性を維持して操業する必要があり, そのために初期投資を小さくし開発投資を分散させる目的から, 約2年ごとの段階的な開発が実施された。一方で, 坑井の生産能力を改善するためにすべての垂直井に対しEMAと呼ばれる酸処理を実施し, さらに1994年以降の開発井については生産能力をより大きくする目的から水平井を適用した。
このような開発ストラテジーの結果,『恒久生産施設の高効率での運転』,『油の早期回収に貢献する水平井の増加』, に代表される経済性の向上が達成された。

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