石油技術協会誌
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水圧破砕を施したガス井挙動に対する穿孔手法と非ダルシー流の影響
佐藤 光三武田 秀明
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2000 年 65 巻 5 号 p. 477-488

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抄録

水圧破砕で形成されるフラクチャーの形状を改善するつめの一手法として,穿孔区間の制限が提唱されている。しかし法がら,通常の坑井で広く認識されているように,この手法は生産性の低下を招きうる。フラクチャーの形成された坑井で,この低下がどの程度のものであるかを把握するために,シミュレーションによるケーススタディーを実施した。
本研究により,以下の点が明らかと法つた。す法わちぢ,非ダルシー流が支配的で法い限り,部分仕上げはフラクチャー坑井の生産性を著しくは低下させず,したがって,油井に対しては穿孔制限をすることに問題はない。また,フラクチャーが十分に長く広ければ,非ダルシー流であっても部分仕上げによる生産性低下はさほど大きくない。しかしながら,フラクチャー形状の改善が達成され法い場合,穿孔制限は非ダルシー流の下で顕著な生産性低下を招きうる。そのよう法場合に取りうる対処法としては,未穿孔区間への再穿孔が有効である。非ダルシー流の影響を緩和するためには,生産区間全体にわたる流量の均等化が重要である。

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