石油技術協会誌
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砕屑岩における断層シール評価ッール断層の幾何学解折とシエールスミアについて
ソルカビ ラソウル長谷川 修太郎岩永 昇二藤本 正道
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2002 年 67 巻 6 号 p. 576-589

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抄録

石油•天然ガスの探鉱•開発において,貯留層を分断する断層のシール能力の有無は,石油探鉱や生産•開発において重要な評価項目である。しかしながら,定量的に断層によるシール能力を評価する手法は確立されているとは言えず,実際の石油探鉱•開発には一般に普及していないのが現状である。石油公団は,トラップ評価技術の向上のため,トラップの地質構造とシールの形成メカニズムを解明し,シール能力の予測を行う技術の開発を目的として,断層シール能力評価ソフトウェア“FAULTAP” の開発を行ってきた。FAULTAPは主として砕屑岩に発達した正断層トラップにおける断層岩のシール能力を評価するソフトウェァである。砕屑岩の断層岩ではシェールスミアが断層岩のシール能力を高めていることが露頭観察や実験で知られている。FAULTAPではこのシェールスミアの形成を断層シール評価の基本として解析を行っている。これまでFAULTAPを用いた断層シール評価のケーススタディを行い,今般評価に耐えうる有効なソフトウェアとして完成したことを受け,FAULTAPの諸機能について,ケーススタディの出力図面を引用して報告する。本報告では,(1)FAULTAPの解析に必要なデータについて,(2断)層面の幾何学的な構造を解析するアルゴリズムについて,(3)FAULTAPがシール評価の基礎としているシェールスミアアルゴリズム(断層面に沿って連続するスミアが形成される可能性を計算する方法と断層ガウジの発達状況を求めるその他の計算方法)について,(4) FAULTAPの解析結果の表示と結果の解釈方法について述べる。個々の項目では,FAULTAPの計算例と既往研究で得られているデータベースあるいは経験値などと比較しながら説明する。

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