質的心理学研究
Online ISSN : 2435-7065
親の宗教と葛藤する子が体験している ディスコミュニケーションの構造
坂岡 大路
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2024 年 23 巻 1 号 p. 195-212

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抄録
いわゆる「宗教2 世」問題をはじめとした親の宗教的信念を巡る子の葛藤については,当事者視点における体験的意味の研究が不足している現状がある。子の信教の自由や意見表明権を実質的に保障するためには,子がどのような苦しみや葛藤を通して己の思想信条の自由を全うするのかについて探求しなければならない。そこで,本研究では,親の宗教と葛藤する子同士の語り合いから,親子間で生じる葛藤体験およびディスコミュニケーションの構造を探索的に検討した。その結果,①主語のすり替わりによる対話的関係の遮断,②集団対個(子)という特殊な規模の孤立無援感,③壊れの予兆に気づいて手放すことによる自己形成の保障という,三つの構造を見出すことができた。以上の結果を基に考察を行い,さらに以下の発展的な課題が浮き彫りになった。①「私は」・「あなたは」といった主語を取り戻すことは親子の関係構築においてどのような機能を果たすのか。②子の自己形成において,教団外他者とのつながりはどのような役割を果たすのか。③親が子との間で適度に距離を置けるようになるための親支援はいかにして可能か。
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© 2024 日本質的心理学会
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