第四紀研究
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原著論文
1703年元禄・1923年大正関東地震に伴う房総半島南西岸の館山浜堤平野システムの発達過程
藤原 治平川 一臣入月 俊明鎌滝 孝信内田 淳一阿部 恒平長谷川 四郎高田 圭太原口 強
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2006 年 45 巻 3 号 p. 235-247

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抄録
館山低地に分布する元禄段丘上で, ジオスライサーによって掘削したコアの堆積相解析と14C年代測定値を総合して, 元禄 (1703年)・大正 (1923年) の2回の地震隆起による浜堤平野システムの発達プロセスを復元した. コアの堆積相は下位から順に, 上部外浜砂層, ラグーン砂層, 堤間低地泥層の順に累積する. 上部外浜からラグーンへ, ラグーンから堤間低地への突発的な堆積環境の変化は, 歴史記録との対応から, それぞれ元禄と大正の関東地震に帰せられる.
この堆積相の累積様式は, 地震隆起の規模にコントロールされており, また海岸地形の配列様式と関連がある. 元禄地震による大きな隆起 (2.5m前後) の際には, 外浜まで含めた広い海底が離水し, 浜堤・ラグーン・海浜・外浜からなる浜堤平野システム全体が海岸に付加した. 一方, 大正地震による相対的に小規模な隆起 (1.5m前後) は, 内陸ではラグーンの排水を促したが, 海浜の一部だけを付加させるに止まったため, 海浜の前進幅は小さかった.
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© 2006 日本第四紀学会
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