現在の温暖化のアナログになる可能性のある第四紀後期の間氷期群(MIS1,MIS5e,MIS11など)の古気温定量復元を念頭に置いたときの,日本列島表層花粉データセットの現状といくつかの問題点を論じた.いわゆる花粉ベースのモダンアナログ法を琵琶湖45万年花粉記録に適用することにより,MIS11以降の古気温変化の概算結果が得られているが,現状では,年平均気温16℃以上の高温域が復元可能範囲から振り切れ,間氷期の復元精度を低くする結果となっている.この問題を解決するために,日本列島太平洋岸の暖温帯域の表層花粉整備を現在進めている.