第四紀研究
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濃尾平野北部のコア試料にみられた完新世中期以降の河成堆積物
堀 和明小出 哲杉浦 正憲
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2008 年 47 巻 1 号 p. 51-56

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抄録

濃尾平野内陸部の河成低地において採取した2本のコア堆積物を解析し,低地とその地下を構成する堆積物の特徴を検討した.2本のコアの採取地点は約280m離れているが,表層河成層の下位にみられる海成層は両コアともに類似しており,海成層が累重していた時期の堆積環境はほぼ同じだったと考えられる.河成層は約4,000 cal BP以降に堆積したが,ST1コアでは植物片の薄層を多く含む泥質堆積物で特徴づけられる氾濫堆積物が海成層を覆って厚く累重する.それに対し,ST2コアでは砂礫からなる流路堆積物が下位の海成層を侵食し,この上にST1コアと同様の氾濫堆積物が積み重なる.また,両コアの氾濫堆積物は2つの層準に極細粒~細粒砂層を挟在し,これらの砂層はそれぞれ4,000~1,400 cal BP, 1,400 cal BP以降に堆積したと考えられる.これは,両地点が砂の堆積を被る規模の洪水を少なくとも2度経験したことを示唆する.

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© 2008 日本第四紀学会
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