第四紀研究
「瀬戸内海の変遷—自然,環境,人」特集号
沈み込んだフィリピン海プレートの形状からみた近畿三角帯周辺のネオテクトニクス
三好 崇之石橋 克彦
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47 巻 (2008) 4 号 p. 223-232

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抄録

西南日本下には,駿河—南海トラフからフィリピン海プレートが沈み込んでいる.近年,地震学的な方法によって,フィリピン海スラブ(スラブ : 沈み込んだ海洋プレート)の形状に関する研究は大きく進展した.その成果のひとつは,伊勢湾から琵琶湖北方にかけて,ゆるやかな角度で傾斜し尾根状の高まりを示すフィリピン海スラブ(「伊勢湾—湖北スラブ」と命名)の存在が明らかになったことである.伊勢湾—湖北スラブは,陸のプレートの地殻と接しており,この領域は近畿三角帯の東縁付近にあたる.古琵琶湖層群の分布は,伊勢湾—湖北スラブとの対応がよく,沈み込みに伴って古琵琶湖層群の堆積場が北方へ移動したと考えられる.東進する西南日本リソスフェアは,伊勢湾から琵琶湖にかけての領域で下部地殻が伊勢湾—湖北スラブと接するために抵抗を受け,この付近が一種の衝突帯になっていると考えられる.そのため,近畿三角帯では顕著な東西圧縮場が生じているのであろう.

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© 2008 日本第四紀学会
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