第四紀研究
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論説
京都府南丹市,神吉盆地のボーリングコア中の大山火山起源の中期更新世テフラとその意義
小滝 篤夫加藤 茂弘木谷 幹一
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2011 年 50 巻 1 号 p. 35-48

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抄録

京都府南丹市の神吉盆地で掘削された70 m長のボーリングコアの姶良Tnテフラ(AT)降灰層準や大山生竹テフラ(DNP)より下位の層準から,BY116, BY172, BY186, BY189, BY478の5層の結晶質テフラと,BY440という1層のガラス質テフラを記載した.このうちBY186,BY189,BY478は,苦鉄質鉱物の構成比,重鉱物の屈折率,普通角閃石や斜方輝石の化学組成などがよく似ていることから,それぞれ大山最下部火山灰層中のhpm1, gpm, cpmに対比された.また,火山ガラスの主成分組成の一致から,BY440は琵琶湖高島沖ボーリングコア中のBT72テフラに対比されることが確認された.AT, DNP, hpm1, BT72の推定噴出年代に基づき,堆積速度を一定と仮定すると,BY478すなわちcpmの噴出年代は約37~40万年前であり,神吉盆地の中部更新統基底の年代は約47~55万年前と推定される.

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© 2011 日本第四紀学会
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