第四紀研究
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論説
鹿児島湾北岸,国分平野における過去15,000年間の海面変化と古環境変化
森脇 広松島 義章杉原 重夫大平 明夫大木 公彦増淵 和夫弦巻 賢介
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2015 年 54 巻 4 号 p. 149-171

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抄録

国分平野は,厚い海成層を持つことから,最終融氷期以降の海面と古環境の記録を得るのに好適な場所である.この平野で行った3本のボーリングコアに関して,堆積物と貝,有孔虫,珪藻の各化石の古環境指標とテフラ・14C年代の編年指標を基に,過去15,000年間の海面変化と古環境変化を検討した.その結果,次の諸点が明らかとなった.鹿児島湾は最終氷期最盛期には現海面下約90mに水面を持つ湖となった.約14,500calBPには海面は現海面下85〜90mに達し,鹿児島湾奥に海進が及んだ.約14,500〜13,000calBPと11,500〜7,500calBPの時期には,急速な海面上昇が生じた.現在の海岸付近においては,最終融氷期の海面の上昇においても,干潟・浅海域の環境が維持された.姶良カルデラ南縁の桜島火山の成長によって,湾奥は完全に遮断されることはなかった.この平野で見いだされた桜島薩摩テフラによって,本地域の海面変化・古環境変化と東シナ海での海洋酸素同位体記録とが高精度で対比される.

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© 2015 日本第四紀学会
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