2018 年 57 巻 1 号 p. 3-17
化石記録は生物進化の道すじの直接的な記録である.最後(最新)の地質時代である第四紀では,他の地質時代と比べて,もっとも正確で精密な年代決定が行える.この利点を生かせば,精度の高い進化速度の分析が可能になる.これまで古生物学においては,進化速度や進化傾向などを評価する方法が模索されてきた.本総説では,進化の速度と様式の解析に有用な一手法を紹介する.実際にこの方法を用いて,琵琶湖の浮遊性珪藻の形態進化の速度と様式を評価した事例研究を紹介し,それによって示唆された今後の研究課題について議論する.