第四紀研究
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「第四紀研究から防災・減災への多角的なアプローチ」 特集号
三陸海岸における2011年東北地方太平洋沖地震後の古津波堆積物研究
石村 大輔
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2019 年 58 巻 2 号 p. 175-186

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抄録

2011年東北地方太平洋沖地震以前は,三陸海岸の長期間にわたる津波履歴は十分に理解されていなかった.2011年以降,従来は古津波堆積物調査に適した地域ではないと考えられてきた三陸海岸において,2011年津波の記録や徹底した掘削調査により,古津波堆積物の数や分布が明らかにされてきた.特に歴史記録にある1611年慶長三陸津波や869年貞観津波によると考えられるイベント堆積物は三陸海岸の広い範囲で認められ,その被害の様子が捉えられてきた.加えて,より古い数千年間のイベント堆積物が津波起源と推定され,三陸海岸ではある年代に古津波堆積物の年代が集中することがわかってきた.今後,各地点における古津波堆積物の対比方法の確立や詳細な古津波堆積物研究が,過去に起きた津波の規模・波源の理解に繋がるものと考えられる.

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© 2019 日本第四紀学会
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