第四紀研究
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「第四紀研究から防災・減災への多角的なアプローチ」 特集号
鍾乳洞に記録された大規模地震と津波
吉村 和久石原 与四郎山内 平三郎島袋 綾野片桐 千亜紀能登 征美天日 美薫
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2019 年 58 巻 2 号 p. 195-209

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抄録

鍾乳洞の天井から滴下する地下水は溶存しているCO2が脱ガスすることで,方解石からなる鍾乳石を形成する.このうち,石筍は年10~100µmの速度で上方に成長する.石筍の詳細な分析からは,アジア・モンスーンの活動や地表植生等の様々な長期間の古環境記録が得られるほか,これらが破損した時代からは地震などのイベントも読み取れる可能性がある.鍾乳石の数値年代は,U-Th法や蛍光年縞を用いる方法によって得られてきた.本稿では,大規模な地震や津波が鍾乳洞に残し得る記録について概説し,沖縄県石垣市白保海岸から近い白保竿根田原洞穴遺跡を胚胎する洞窟から得られた石筍の最近約500年間のMg/Ca比,δ13C, Sr/Ca比と大規模津波との関連について紹介する.

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© 2019 日本第四紀学会
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