第四紀研究
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総説
琉球弧の地球科学的研究─断層と風化・侵食プロセスに関する研究の課題と展望─
尾方 隆幸大坪 誠
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2019 年 58 巻 6 号 p. 377-395

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抄録

琉球弧における第四紀テクトニクス研究および地形プロセス研究をレビューした.琉球弧は,ユーラシアプレートにフィリピン海プレートが沈み込む収束境界に沿う島弧で,火山島,山地島(付加体),隆起サンゴ礁島などに分けられ,それぞれ地形プロセスが異なる.第四紀の地殻変動は,礁性堆積物からなる更新統の石灰岩(琉球層群)に多くの横ずれ断層と正断層を形成している.付加体で構成される山地・丘陵では,さまざまな環境条件に支配された風化・侵食速度を反映しながら,地形変化が進行している.これまでの自然地理学的研究は,琉球弧にみられるいくつかの地形を熱帯・亜熱帯特有の気候地形とみなしてきたが,それらの地形プロセスは気候条件のみならず地質条件も踏まえて再検討されるべきである.今後の研究には,地質条件と気候条件の両者を総合・統合した地形プロセスの理解が求められる.

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© 2019 日本第四紀学会
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