第四紀研究
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茨城県東海村付近の地形発達
小池 一之
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1960 年 1 巻 7 号 p. 274-279

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抄録

以上のデーターから,この地域の地形発達史を考え,次の様な点が明きらかになつた.
(1) 台地上に発達する砂丘の基盤は,海岸平野(DuIa面)を形成した海が,海退に向かう一時期に形成された河岸段丘面(DuIb面)である.
(2) この海退の極大時に,-50m以深の沖積層に埋積された旧河谷が形成された.
(3) その後,再び海侵に転じ,その一時期に台地(DuIb面)の崖端を侵蝕して-15m以浅の平坦面が形成された.
(4) この海侵の極大時には,海面は現在よりも2~3m相対的に高かつた.そして,海抜約6mの旧自然堤防面が形成された.
(5) 縄文中期には,第1砂丘列の基盤のsand spitsが形成され,海侵の極大時に形成された入江が,ほぼ淡水化された.そして,台地(DnIb面)上へ砂が供給され出した.
(6) 第1砂丘列の基盤のsand spitsが砂丘砂におおわれ,海がほぼ現在の水準になると,第2砂丘列の基盤がoffshore barに成長し,第1砂丘列との間の凹地をlagoon化した.このため,台地上へ供給される砂の量が減り,台地上の砂丘は,北東~北北東の卓越風によつて風蝕を受けるようになつた.
(7) lagoonが次第にうずめられ,砂丘列におおわれるようになり,第2砂丘列の基盤のoffshore barも砂丘砂におおわれた.
(8) 海岸砂丘の大部分は,大正末以来の植林によつて固定され,現在,汀線付近の新しい砂丘のみが植生におおわれておらず,砂が移動している.

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