第四紀研究
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華北の更新世の人類環境
祁 国琴
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1989 年 28 巻 4 号 p. 327-336

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抄録

最近の10年間に, 中国では古人類学および関連の深い第四紀哺乳動物学と旧石器考古学, さらに第四紀地質学には著しい進展があり, 多くの意義深い新知識が得られた. 周口店と黄土台地における多専門の総合研究にとくに進歩があった. これらの研究により, 広大な地域で起こった重要な地質学的事件の地質学的・自然地理学的背景の理解は明確になった. また, 中国の更新世人類環境の理解と研究を深めるためにもよい基礎を与えた. 華北の更新世の人類化石を含む哺乳動物群の解析により, 次の諸点が明らかとなった.
1. 華北における更新世の気候変化の傾向は乾燥化・寒冷化であった.
2. 寒冷・乾燥に向かう傾向のうちにも変動があった. 多数回の寒暖の繰り返しがあった.
3. 小変動・繰り返しの頻度と速さは漸増した.
このような状況は, 基本的には, 古植物学と黄土・海成層序学の成果と一致している.

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