第四紀研究
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アイスランドにおける最終氷期後半以降の氷河作用と氷河性アイソスタシー変動
森脇 広岩田 修二
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1992 年 31 巻 4 号 p. 229-241

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抄録

最終氷期のアイスランドは, その主要部を一続きの氷床に覆われていたが, 周辺部の山岳地帯は周辺部が薄いアイスドームからなっていた. 晩氷期末の最高位旧汀線の高度分布はこの氷河分布に対応し, 島の主要部は一続きの広い曲隆域となり, 北西地域に小曲隆部がある. 晩氷期以後, 古ドリアス期と新ドリアス期の再拡大期 (ほぼ同規模) があった. その後氷河は大きく縮小したが, ネオグレシエーション以後拡大し, 現在のようになった. 氷河融解にともなう隆起は完新世初期には終了した. 後期更新世末から完新世初期にかけての隆起量は最大150mに及ぶ. 現在の海岸地域は完新世中期以降は全体としては沈降している.

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