神奈川県が作成した自然災害回避図 (アボイドマップ) は, 県下における自然災害が過去にどのようなところで発生したか, どのようなところで起こりやすいかといった既存の資料を収集整理したもので, 各市町村ごとに縮尺1万分の1のカラー地図と解説書で構成される. その内容は (1) 過去の被害区域 (浸水, 崖崩れ, 土石流), (2) 法指定危険区域 (急傾斜地崩壊危険区域, 地すべり防止区域, 砂防指定地, 宅地造成工事規制区域), (3) 土砂災害予想危険箇所 (斜面崩壊, 地すべり, 土石流), (4) 地震被害想定区域 (液状化, 津波) の自然災害情報をのせてある. これらの情報を理解してもらい, 自然災害による被害の未然防止や軽減をめざしたものである. さらに, 新アボイドマップは, 浸水予想や土砂災害について危険度ランクなどの予測評価を表示したものである. 調査は (1) 河川氾濫, (2) 高潮, (3) 崩壊, (4) 土石流の項目について行っている. これらの情報をもとに, 安全な土地利用を誘導するためにつくられた.