第四紀研究
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海産パリノモルフ化石とその研究の現状
松岡 數充
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1994 年 33 巻 3 号 p. 189-203

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抄録

近年沿岸性の堆積物を対象にした花粉・胞子分析が古環境復元を目的として行われるようになった. これらの堆積物には花粉・胞子のみならず, それらと同様に有機質の殻や膜を備えた多種多様な分類群にわたる微化石が含まれている. このような微化石 (パリノモルフと総称する) も環境解析に有益な情報を備えていることから, 今後の研究対象として看過することができない. パリノモルフのなかで比較的研究が進んでいる渦鞭毛藻シストやプラシノ藻, 小型有孔虫について生物学的側面を概説し, さらにそれらを用いた生層序学および古環境解析についての最近の研究例を紹介する.

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