第四紀研究
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福井県丹生山地の段丘堆積物から見いだされた姶良Tn火山灰層および大山倉吉軽石層とその意義
中川 登美雄山本 博文新井 房夫岡島 尚司
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1995 年 34 巻 1 号 p. 49-53

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抄録

福井県丹生山地中南部に分布する河岸段丘について,野外調査および堆積物中に含まれるテフラの検討を行い,段丘形成期を考察した.従来,D1面と考えられていた段丘面の一部は,空中写真の判読によりD2面の上に重なる扇状地面であることが明らかになり,D4面とした.また,D4面構成層(D4層)中に挾まれる小曽原火山灰層と織田火山灰層は岩石記載学的特徴から,それぞれDKP,ATに同定されることが明らかになった.さらに,新たにD3面構成層(D3層)中とD2面を覆う表土中からも,小曽原火山灰層が見いだされた.その結果,D2面は5万年前以前に,D3面は2.5~5万年前頃,D4面は2.1~2.5万年前以降に形成されたと推定される.

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