1995 年 34 巻 4 号 p. 309-313
北海道南西部の支笏・クッタラ両火山から後期更新世に噴出した数多くのテフラの中で,Kt-1,Kt-TkおよびSsfa・Ssflの3つのテフラに関して,3点の加速器質量分析(Accelerator Mass Spectrometer, AMS)法による14C年代値を得た.これらの年代値と,これまでに得られたAMS法による14C年代値を整理し,両火山を起源とするテフラの噴出年代を,Kt-1が約4万年前,Kt-Tkが4.4~4.8万年前,Kt-3が4.7~5.1万年前,Ssfa・Ssflが4.7~5.3万年前であると推定した.また,Kt-1直上に層位するSpfa 1の噴出年代は3.8~3.9万年前と,Kt-1とKt-Tkの中間に層位するZ-M(山縣ほか,1989)の噴出年代は4.2~4.4万年前と,それぞれ推定された.