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第四紀研究
Vol. 34 (1995) No. 5 P 335-344

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http://doi.org/10.4116/jaqua.34.5_335


有明海周辺では,Aso-4火砕流堆積物の下位に最終間氷期の堆積物が存在することが報告されている.筆者らは,熊本平野の地下でAso-3火砕流堆積物とAso-4火砕流堆積物の間に,貝化石を産する細粒部を含む堆積物を見い出し,御幸層と命名した.御幸層の層相は,下部の砂礫層,中部の砂礫を含むシルト層,上部の砂礫層と変化している.また,御幸層は,Aso-3火砕流堆積物とAso-4火砕流堆積物の堆積時期から,12万年前から8万年前に堆積したと考えられ,最終間氷期で関東の小原台期にあたる.
さらに,御幸層中部の上面深度と堆積時期から,最終間氷期以降の平均沈降速度が熊本平野の地域ごとに求められた.すなわち,沈降速度は熊本平野の東側にあたる御幸付近では0.45mm/年,海岸部近くでは0.90mm/年であり,平野西部へいくほど沈降速度が速くなっていることが明らかになった.

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