第四紀研究
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電子スピン共鳴(ESR)・熱ルミネッセンス(TL)年代測定法の海成段丘堆積物への適用性の検討
幡谷 竜太田中 和広齋藤 裕二橋本 哲夫志村 聡
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キーワード: 年代測定, 堆積物, 石英
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1997 年 36 巻 2 号 p. 87-96

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抄録

光ブリーチング仮説に基づく,石英粒子を用いた電子スピン共鳴(ESR)ならびに熱ルミネッセンス(TL)年代測定法の堆積物の年代測定への適用性を検討するために,複数の光源を用いた光曝実験と年代既知試料のESR・TL年代測定を実施した.ESRのTi信号はE'1信号・Al信号よりも光に対して消えやすく,光曝により解消されるが,Ti信号から得られる海成段丘堆積物の年代は,地質学的に見積られた年代よりも古い.一方,TLは光に対して消えやすい成分と消えにくい成分があり,光に対して消えやすい成分を用いて得られた年代は,地質学的に見積られた年代と調和的である.したがって,海成段丘堆積物の年代測定では,Ti信号を用いたESR年代測定法は適用が難しいが,光に対して消えやすい成分を用いたTL法は有望であると考えられる.

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