第四紀研究
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溜池堆積物の古地磁気年代測定
内山 高兵頭 政幸吉川 周作
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1997 年 36 巻 2 号 p. 97-111

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抄録

大阪府下には,古墳時代以降歴史時代に築造された数多くの溜池が分布する.今回,溜池の改修工事に伴い,大阪狭山市の狭山池と柏原市の畑大池で,溜池堆積物の断面が現れた.この堆積物について,詳細な堆積残留磁化の測定を行った結果,時間分解能の高い地磁気永年変化が見いだされた.考古地磁気や湖底堆積物の古地磁気から出されているデータとの対比により,狭山池堆積物には過去500年間の地磁気方位変化が,畑大池堆積物には過去約400年間の地磁気方位変化が記録されていることが明らかになった.さらに,AD1500年~1800年の300年間の地磁気永年変化には細かい挙動も見つかった.狭山池堆積物中には液状化跡・洪水等の事変を示す層準(S-1~S-12)が挾在する.S-9層準はAD1500年~1530年,S-12層準はAD1600年~1630年の年代を得た.また,狭山池では液状化跡を示すS-9から最下部までの,厚さ250cmにわたる堆積物がほぼ一定の古地磁気方向を示している.この堆積物では,S-9層準の液状化を引き起こした地震により磁性粒子の再配列が起こった可能性が高い.

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